EuroIA Redux in Tokyo Report

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去る10/28、クリエイティブスペースamuにてEuroIA Redux in Tokyoが開催された。
EuroIAは欧州で開催される年に一度の情報アーキテクチャに関してのカンファレンスであり、北米で開催されるIA Summitと並んで、情報アーキテクチャ分野での2大カンファレンスとなっている。

本年度はリコーのコーポレートコミュニケーションセンターの伊藤氏、コンセントのIA 山中氏、同じくコンセントのUX Architectの坂田氏の3名がカンファレンスに参加し、報告を行った。

報告会には、EuroIAの開催地スコットランドのエディンバラにちなんで、スコットランドのビールやウイスキーなどが用意され、現地の雰囲気を感じながら会は進められた。

報告によれば、今年のEuroIAは150名程度の規模で開催され、ワークショップ1日、2トラックのパラレルセッションによるプレゼンテーション2日というスタイル。
欧州以外の参加者は、北米からが3割程度、アジアからは5名とのことで、やはりヨーロッパ主体のカンファレンスであるといえる。

プログラムの紹介として、4つの興味深かったものが紹介された。

Lisa Welchemanの「We are the Architects」
人及びコミュニケーションのあり方を考え直し、情報整理・設計の目的を見直すための提言。
Welcheman氏は、今年のIA SummitでもWebガバナンス実現のための人的側面からの観点をプレゼンテーションしていた。

Claudio Vandi, Grandin Donovanによる「Future Reading」
これからの読書体験、コンテンツ閲覧における課題を調査に基づいて報告。
本のデジタル化による変化と課題、問題解決の観点をわかりやすく提示していた。

Koen Petersによる「機能するデザインソリューションを作るための共創」
問題解決プロジェクトのためのあるべきプロセスを提言。Understand、Explore、Defineの3ステップを基軸に、行うべきタスクなどを提示した。

Adam Ungstadによる「クロスチャネル生態系におけるメタデータ」
メタデータの重要性と可能性についての議論と提言

これらのセッションについて、参加した3名の観点も含めながら、詳細に報告があった。
どれも、IAの観点、情報デザインに関わるプロジェクトの観点の双方から重要であり、日本でも同様の議論を行っていくべきであるものばかりであった。

これら続けて、欧州ホンダのサイト統合事例やイントラサイトの事例、NUI(Natural User Interface)の調査研究など、その他のプロジェクトについても簡単な報告があり、EuroIAでカバーされている内容や関心事などを共有することができた。

引き続き、IA Institute主催のWorld IA Dayについて、初年度のローカルコーディネーターのコンセント 長谷川氏と、次回のローカルコーディネーターのGREE 村越氏から次年度も東京で開催される旨の紹介があり、ここからフィッシュアンドチップスなどスコットランドの食事を楽しみながらの懇親会が開始された。

EuroIAは北米のIA Summitに比べると、開催エリアの業界の状況などの点で日本と近い点も多い。
しかしながら、なされている議論は決してIA Summitに劣るわけではなく、むしろ概念的には進んでいる点すらあるともいえる。

日本でもIAについての議論をより深め、さらに発展させていく必要を強く感じた報告会であった。

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